DBP



 DBPはアルブミン遺伝子プロモーターのDボックスに結合するタンパク質としてクローニングされた。DBPは、C/EBPと同様にbZIPタンパク質であるが、PARドメインも持つ新しいタイプの転写因子であり、HLT (hepatic leukemia factor)、TEF (thyrotroph embryonic factor)、VBP (vitellogenin binding protein)などのbZIPとPARドメインを持つ転写因子とともにサブファミリーを形成している。DBPが結合するDNA配列は、ほとんどC/EBPの結合するDNA配列と同じである。DBP mRNAはほとんどの臓器で検出されるが、DBPタンパク質は限られた臓器にのみ見られる。DBP遺伝子発現は、マウス胎児では見られず、離乳までは低いレベルしか見られない。DBPに関して興味深い現象が2つ知られている。ひとつは、DBPタンパク質量が細胞の大きさと関係のあることである。つまり肝細胞のような大きい細胞ほど多くのDBPを持っている。肝細胞は他の細胞に比べ大きく、多機能であることは分かっているが、この細胞の大きさが何により調節され、細胞が大きさが持つ生理的意義について注意が払われてこなかった。DBPで見られる細胞の大きさに依存した遺伝子発現調節は、細胞機能の制御に関して新しいコンセプトを示している。もう一つは、DBP遺伝子の発現に日周リズムが見られることである。DBPの転写は、暗期に入る前にピークを迎え、夜8時にDBPタンパク質のピークが見られる。DBPの日周リズムは、肝臓特異的ではなく、視床下部などの全身で見られる。DBP遺伝子の発現は、DBP自身や他のPARファミリータンパク質により正の調節を受けている。DBPノックアウトマウスでは、発生、生殖など正常で、肝機能への影響は報告されていないが、日周リズムに関連した行動に変化が現れている。
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